今回のビジネス心理学は端数価格効果について記事にしたいと思います。
端数価格効果とは
難しそうな言葉ですが、実はとても馴染み深いんです。
いわゆる、198(イチキュッパ)というものです。
例えば価格を2,000円ではなく1,980円、200円ではなく198円と、2円引くことで心理的に安く思わせたり、あらゆる場面で活用されているテクニックです。
特に、9,990円など価格の桁が1個変わるときに1番効果を発揮します。
しかし、本質を理解していないと間違った使い方をしてしまう場合があるんです。
下記では、この端数価格効果の本質を述べていきますのでぜひ参考にしてみて下さい。
日本とアメリカの違い
日本とアメリカでは使い方が違います。
日本の場合”8″もしくは”偶数”が多いんです。
八は末広がりで縁起が良いとされて、198(イチキュッパ)など最後の数字が”8″になっていたり、5,400円や5,600円など丸い印象の偶数も好まれやすく、多いです。
一方アメリカの場合、最も多く使用されているのは”9″です。
10$の大台に乗せず、9$99¢で販売します。
これはアメリカで様々な数字をテストし、お客さんの印象に1番残ったのが”9″だったことから、一般的に”9″が多く使われるようになりました。
とはいえ、”9″だけではなく、ケースは少ないですが”7″などの場合もあります。
このようにアメリカでは奇数を1番後ろに持っていくケースが多いんです。
日本とアメリカでは文化の違いや、円とドルの違いで活用の仕方が変わっています。
日本人は、5,800円や6,800円など偶数で設定した方が馴染みが深いですが、僕の場合、少しインパクトを与えたい時に、あえて5,900円や6900円などと奇数を使用するようにしています。
適していないケース
この端数価格効果はどこでも活用すればいいというわけではなく、使用してはいけない場面があります。
それは、ブランドなどの高級品やワインなどの嗜好品です。
これに関しては、端数価格効果がマイナスに働く場合があります。
例えば、嗜好品であるワインをデートなどで注文する際、消費者は「安いもの」という印象に困ってしまいます。
4,200円、4,000円、3,980円のワインがあったとすると、一番多く支持されるのは4,000円のワインなんです。
このようにワインのような嗜好品は4,000円や5,000円など、ピッタリとした価格が適しているということです。
ブランド品も同じように、100,000円や200,000円などピッタリとした価格が適していて、端数価格効果を使わない方が良い場面もあります。
価格の重要性
僕はコンサルティングを行う際、端数価格効果を完全に無視します。
こうすることで、しっかりとした価値のあるものだと伝えることができるんです。
もしあなたがインターネットビジネスでデジタルコンテンツを作成した際に、「低価格で購入して欲しいもの」や「お試し商品」は、安く見せるために端数価格効果を活用できます。
しかし、コンサルティングなど価値のあるものとして見せたい商品は、あえて端数価格効果を使用しない価格を提示することが大事になります。
何度かビジネス心理学の記事でも述べていますが、価格は非常に重要です。
日本の実業者である、京セラ・第二電電(現・KDDI)創業者の稲盛和夫会長は「価格は経営だ」と言っていたように、価格を決めることはそのままそのまま経営に直結する重大なことです。
最後に
僕は価格を決める際、根拠を考えて、商品の意図を汲み取って決めるのでとても悩みます。
その商品は端数価格効果を活用すべき商品なのか、そうではない商品なのか、細かい部分までしっかり考えて価格を決めるんです。
このことを理解していない人は適当に値段を決めてしまいがちですが、それではダメです。
本質的なことを理解し、何でも端数価格効果を使って「安く見せよう」とするのではなく、きちんとお客さんの心理を理解して使うべき場面で使うということが大事なんです。
それでは今回紹介した端数価格効果の活用場面をしっかりと理解し、実際に活用してみて下さい。