今回のビジネス心理学は、いい話と悪い話のどちらを先に伝えるべきなのかという内容を記事にしたいと思います。
いい話と悪い話
おそらく、この記事を見ている方は「悪い話を先でいい話は後に話した方が良い」と考えると思います。
前回の話す順番がテーマの記事を読んで頂いた方なら、尚更そのように考えるかと思いますが、実は目的によって異なってくるんです。
つまり、いい話を先にして、悪い話を後にする方が効果的な場合もあるということです。
相手の感情を左右する
人はいい話と悪い話の両方を持っていた時にどちらを先に話したいかという心理から解説していきます。
カルフォルニア大学の研究で明らかになったんですが、75%の人がいい話から先にしたいという心理があることが明らかになっています。
確かに、心理的に考えるといい話を先にしたいと思います。
例えば学生の時に、テストで100点を取ったということと、遅刻をしてしまい怒られたということの両方を親に伝えなければいけない時に、100点取ったということを先に言いたくなりますよね。
このように話し手はいい話を先に話したい心理があります。
しかし、聞き手の心理は悪い話を先に聞きたいんです。
これを踏まえた上で、どちらを先に話せば良いのかというと、相手の気分を害したくない場合は悪い話を先にした方がいいんです。
前回の記事で紹介した親近効果と一緒で、人は最後に聞いた内容の印象を強く持ちます。
上記の例であれば、「遅刻して怒られたんだけど、テストで100点を取った」というように伝えた方が聞き手からすると「怒られたのはいけないが、テストで100点とれたのであればいいか」となりやすいんです。
このように相手に良い印象を与えたかったり、気分を害したくない場合はいい話を後に持ってくるというテクニックです。
相手に行動を促す
相手に行動を促したい場合はパターンが異なります。
例えば、部活動で「長期間の休みを設ける話」と「スパルタで大変な強化合宿を実施する話」を同時に部員たちに話さなければいけないとします。
この際、休みがあるということをいい話と仮定すると、「長期間の休みを設ける話」をした後に「スパルタで大変な強化合宿を行う話」をするんです。
これは、悪い話が後になっていますが、相手に行動を促す心理が働いています。
大体の物事で、行動をしなければいけない事というのは大変なことが多いんです。
このような話が最後に来ることによって相手に頑張ろうと思わせることができます。
つまり、いい話と悪い話の順番というのは、あなたが相手に持ってもらいたい感情によって、話す順番を変える必要があるということです。
このテクニックを覚えておくことで、ビジネスでセールスを行う時などに、いい話と悪い話のどちらを先に話すべきなのか、また、印象付けたい話はどこで話すべきなのかなど、話の順番というのが分かってくるんです。
話す順番の重要性
僕はウェビナーという、ウェブセミナーでセールスをしているのですが、まさにその時にこのテクニックを活用しています。
以前の記事でも述べましたが、効果的にプレゼンをするには、いい話と悪い話を交互にするコントラスト効果を取り入れることが重要です。
そして、どちらを先に伝えるかという時に、最終的に行動を促したい時は、厳しい言葉を最後にし、逆に嫌な印象を与えたくない時には最後にいい話をするというように、最終的に相手に持ってもらいたい印象によって順番を変えるんです。
人は、そのくらい聞いている順番によってその話に対する印象や感情が変わリます。
実はこのテクニック、ちょっとしたことだと思いますが、かなり重要なことなんです。
もちろん、何を話すのかも重要なのですが、それ以上にどの順番で話すかということが圧倒的に重要になります。
ですから、僕はいつもウェビナーやコンテンツを作るとき、文章を書くときも、どの順番でどの話するかということを重要視しています。
最後に
これを読んだあなたは、自分が何を話すのかではなく、どの順番で話すのかということに意識を向けてみて下さい。
きっと大抵の人は、何を話そうか、何を伝えようかばかり考えていると思います。
そうではないんです。
人は、どの順番で聞くのかということの方が圧倒的に重要だということです。
人の感情を動かしたり、人を行動させたい時には順番が大事です。
そして順番に意識を向けることで、相手に話を理解してもらえる率も高くなりますし、人間関係も良くなりますので、是非覚えておいて下さい。