「Kindle本を出版してみたい」
誰もが簡単に出版できるようになった今、この思いを持つ個人事業主は少なくありません。しかし、ただ本を出版するだけでは、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。実は、Kindle出版には「集客の武器」としての可能性が隠れているのです。AIの力を借りれば、その可能性を最大限に活かすことができます。今回は、その第一歩をご紹介します。
個人のKindle出版が見込み客獲得に失敗する3つの理由
伝えたい気持ちが先走ってしまう
「私の経験を共有したい」
「みんなに役立つことを届けたい」
そんな純粋な想いは、とても大切です。しかし、この想いだけで本を書き始めると、ある大切なことを見落としてしまいます。それは「この本で何を実現したいのか」というビジネス視点です。結果として、読者にとって「へぇ、なるほど」で終わる本になってしまいます。
ゴールが「良い本を書くこと」になっている
「素晴らしい内容でした」
「勉強になりました」
こんな感想をいただけることは、著者として嬉しいものです。しかし、それだけでは、せっかくのKindle出版の可能性を活かしきれていないかもしれません。マーケティングツールとしてのKindle本には、「読者の次の行動」まで設計することが重要なのです。
ターゲット設定が漠然としている
「副業に興味がある方へ」
「起業を目指す方へ」
このような広い設定では、誰の心にも深く響きません。例えば、子育て中の方が副業に求めるものと、定年後の方が副業に求めるものは違います。ターゲットが明確でないと、読者の具体的な課題に応える本にはならないのです。
コンセプトシートから始めるKindle本作り
コンセプトシートとは何か
「本の構成を考える前に、立ち止まってほしい」
まず、ここで大切なことがあります。良い本を書くために最も重要なのは、実は「書く前の準備」です。
そこで役立つのが「コンセプトシート」です。これは、あなたの商品やサービスの本質を整理するためのシートとなります。単なる企画書ではありません。あなたのビジネスの「根っこ」にある想いや価値観を、丁寧に言葉にしていくものです。
何を書き出していくのか
コンセプトシートには、主に3つの要素を書き出していきます。
1つ目は「なぜその商品やサービスを始めたのか」という原点です。これは、単なる動機ではありません。お客様に届けたい価値や、実現したい未来への想いです。
2つ目は「どんな価値を提供しているのか」です。商品やサービスの特徴ではなく、お客様の人生にどんな変化をもたらすのか。その本質的な価値を言語化していきます。
3つ目は「誰にその価値を届けたいのか」です。ただの属性ではなく、どんな悩みを持ち、何を目指している人なのか。具体的な姿を描いていきます。
Kindle本の構成が見えてくる
この作業を終えると、不思議なことが起きます。
「ああ、この本ではここを伝えるべきなんだ」という気づきが生まれてくるのです。
例えば、「全ての知識を詰め込もう」と考えていた著者が、「まずは読者の最初の一歩を後押しする内容に絞ろう」と方向転換することがあります。また、「体系的に説明しよう」と思っていた著者が、「読者の悩みに沿った章立てにしよう」と気づくこともあります。
つまり、コンセプトシートは「何を書くか」だけでなく「どう書くか」のヒントも与えてくれます。
AIで広がるKindle出版の可能性
AIをKindle出版に活用する
コンセプトシートを作成したら、次は具体的な本の構成を考えていきます。ここで力を発揮するのがAIです。ChatGPTやClaudeなど、いくつかの選択肢があります。
それぞれのAIには特徴があり、たとえばClaudeには大量の文章を一度に処理できるProject機能、ChatGPTにはカスタムGPTsなど、便利な有料機能があります。ただし、コンセプトシートを活用した本づくりなら、無料版でも十分に実践できます。コンセプトシートの内容は、添付機能を使うか、直接プロンプトに書き込むかのどちらでもOKです。日本語の表現や使い勝手は個人の好みによるところが大きいので、使いやすいと感じるツールを選んでみてください。
例えば、あなたの商品やサービスの理念、提供している価値、目指す未来。これらの情報をAIに伝えることで、その本質を理解し、より的確な構成案を提示してくれます。
AIとの対話で見えてくる可能性
実際の対話は、とてもシンプルです。コンセプトシートの内容をAIに共有する方法は2つあります。
1つ目は、テキストファイルでの添付です。Google DocsやMacのテキストエディット、Windowsのメモ帳など、一般的なテキストエディタで作成したファイルを使います。
添付機能を使う場合のプロンプト例:
「添付したコンセプトシートをもとに、Kindle本のストーリーラインを考えてください。このコンセプトシートには、読者に起こしてもらいたい行動が含まれています。その行動に自然に繋げられるよう、読者の心理に寄り添ったストーリーラインを提案してください」
※添付するコンセプトシートは、下記の直接入力する場合のプロンプトの内容を書いた2、3枚のテキスト文書から成るシートとなります。
直接入力する場合のプロンプト例:
「下記のコンセプトシートの内容を踏まえ、特に『読者に起こしてもらいたい行動』に自然に繋がるストーリーラインを提案してください。読者の心理に寄り添いながら、どのような流れで価値を届け、行動を促すか、その展開案を示してください:
- [理念・ビジョン]
- 私たちが提供する価値:
(読者の人生やビジネスにどんな変化をもたらしたいのか?) - 目指す未来:
(この価値を広めることでどんな未来を実現したいのか?) - 大切にしていること:
(価値観や、商品・サービスの根幹となる哲学)
- 私たちが提供する価値:
- [商品・サービス]
- 主な提供内容:
(読者に提供する具体的な商品やサービス内容) - 独自の特徴:
(他の類似サービスと比較した際の差別化ポイント) - 想定している読者:
- 具体的なターゲット像:どのような属性(年齢、職業、趣味など)の人か?
- 悩みや課題:その読者はどんな課題や悩みを抱えているのか?
- 目指していること:その読者が解決したい問題や達成したい目標は?
- 主な提供内容:
- [読者に起こしてもらいたい行動]
- 本を読んだ後の具体的な行動:
(どのような行動を読者に促したいのか?例:商品購入、メルマガ登録、自己変革など) - その行動に至るまでの心理的なステップ:
(読者の感情や考えがどのように変化する必要があるか?)
- 本を読んだ後の具体的な行動:
AIは、コンセプトシートの内容を理解した上で、いくつかの展開案を提示してくれます。これはまだ詳細な目次ではありません。本の全体的な流れやストーリーの展開について、複数のアイデアを得るための段階です。
そこから「この流れをもう少し具体的に説明してもらえますか?」「ここで読者が感じる疑問に答える展開は?」といった対話を重ねていきます。この段階で、自分では気づかなかった新しい視点や、読者にとってより自然な展開のヒントが見えてきます。
AIと人間の相乗効果
このようにAIにサポート役を担ってもらうことができます。自分のビジネスを最もよく理解しているのはあなたです。AIの提案を参考にしつつ、自分の直感や経験も大切にする。そんなバランスの取れた本づくりが理想的だと言えるのではないでしょうか。
まとめ
ここまで、新しいKindle出版の方法について見てきました。従来の「書きたいことを書く」というアプローチから、「ビジネスの本質から組み立てる」という新しい視点へ。その鍵となるのが、コンセプトシートとAIの活用です。
実は、これはまだ始まりに過ぎません。コンセプトシートを作り、AIと対話しながら本を作っていく。その具体的な方法については、次回以降で詳しくお伝えしていきます。
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