AIで作る映像・写真と本物が要る場面の見分け方|Genie 4から考える

Googleが発表したGenie 4は、文で頼むだけで映像の世界を作れるAIです。こういう道具を見ると、「自分の仕事の写真や映像も、全部AIで作ればいいのかな」と迷うかもしれません。この記事では、生成した映像で足りる場面と、本物でないと信頼をなくす場面を、1つの物差しで分ける方法をお話しします。

Genie 4を見て「全部AIで作れる」と思った方へ

Genie 4は、Googleが10月の終わりに発表した「世界モデル」と呼ばれるAIの新しい版です。文で頼むと歩き回れる映像の世界ができて、天気を変えたり、人などを足したりできます。音も一緒に作られ、中の人物と会話することもできます。

AIを扱うあるチャンネルでは、「これ1本で全てが分かる」という紹介動画が、ふだんの約3.4倍も見られていました。それだけ気になっている人が多いということですよね。

ただ、今は一部の人だけが試せる研究の段階です。なので今日は、使えるようになったときに仕事のどこを任せるかを、先に決めておく話をします。

先に結論を言うと、全部を生成にしなくていいんです。生成の映像で足りる場面もあれば、本物でないと信頼をなくしてしまう場面もあります。そして、その線を引くのは道具ではなく、あなた自身です。

読み進める前に、お客さんに見せている写真や映像を1つだけ思い浮かべてみてください。それがどちら側なのかを、この記事の中で一緒に決めていきます。

「全部AIで」と思うのは自然なことです

新しいAIを見て、「そこまでできるなら、自分の仕事の写真や映像も全部AIで作ればいい」と思うのは自然なことです。理由はいくつかあります。

  • AIのニュースは、いつも「ここまでできるようになった」という形で届く
  • 撮影や素材集めには、手間もお金もかかる
  • 周りが使い始めると、使わないと損をしている気がしてくる

全部AIでと思うのは、それだけあなたが仕事を少しでも楽に、良くしたいと思っているからなんです。

「できる順」で決めると、信頼をなくすことがある

ただ、この思い込みのまま進むと困ったことが起きます。たとえば、お客さんに見せる作品の写真までAIで作ってしまう場合です。見た人が「あれ、これ本物かな」と感じた瞬間、ほかの本物の写真まで疑われてしまいます。

チラシを作っている方が、こんな話を書いていました。納品したデータをお客さんがAIで作り替えてしまい、変な仕上がりのまま、お店の顔として世に出てしまったそうです。本物が必要なところを作り物にすると、損をするのは見た人だけではないんです。

反対に、失敗が怖くなって、資料に載せるイメージ画像まで何時間もかけて探し続けてしまうこともあります。

どちらの場合も、「見た人がその画像をどう受け取るか」より先に、「AIで作れるか、作ってはいけないか」で決めてしまっています。ここではこれを「できる順」と呼ぶことにします。できる順で考えると、道具が新しくなるたびに、どこで使うかの答えも毎回揺れてしまうんです。

同じ映像でも、使う場所で答えが変わる

動画では、10秒ほどの映像を流しています。これはAIで作った映像です(Genie 4ではなく、別の映像を作るAIで作りました)。では、これは生成で足りる場面でしょうか。

答えは、どこで使うかで変わります。ブログの見出しの背景や、話の雰囲気を伝えるためなら、これで十分です。でも「これが僕の仕事場です」と言って出したら足りません。同じ映像なのに、場面によって答えが変わるんです。

これは、仕事の種類が違っても同じです。

ホームページを作るデザイナーの場合

まだないお店の完成イメージを見せる段階なら、生成で足りるかもしれません。でも、これまで作ったサイトの作品集は、本物でないと困ります。

サロンや整体院の場合

架空のイメージだと分かる挿絵には、生成を使えます。でも、実際の店内や施術の前と後など、お客さんが見て選ぶための写真は本物を使います。

講座や講師の仕事の場合

説明の図は生成で足りても、受けた人の声は本物しか使えません。

物差しは1つ。「見た人が本物だと思って決めるか」

線を引く物差しは、1つで大丈夫です。

見た人がそれを本物だと思って、判断に使うかどうか

作品の写真、お客さんの声、実績の数字は、見た人が「この人に頼むか」を決める材料です。ここは本物でないと信頼をなくすので、自分で持っておきます。反対に、まだないものの完成イメージ、説明の図、話の雰囲気は、生成で足りる場面です。

  • 自分で持つ側:作品の写真、お客さんの声、実績の数字
  • 生成で足りる側:まだないものの完成イメージ、説明の図、話の雰囲気

Xでも、お店の撮影をしている方がこんな使い方を考えていました。使えるようになったら、まずは架空のお店でカメラの動きだけを試してみたい。一方で、商品を正確に作れるか、そのまま納品できるかは、まだ確かめられていない。試してみる部分と、まだ確かめられていない部分を、分けて考えていたんです。

Google自身も、Genie 4の使い道として、映画の撮影前の下見やゲームの試作を挙げています。一方で、長く動かすと細かいところがずれることや、読める文字を出すことは、まだ課題だとも書いています。まずは本番前の下書きとして試すのも、1つの使い方です。

道具がどれだけ新しくなっても、この物差しは変わりません。何ができるかではなく、見た人がそれで何を決めるかで分ければいいんです。

自分の仕事で、1つだけ分けてみる

ここで1つだけ試してみてください。

  1. 最初に思い浮かべた、お客さんに見せている写真や映像をもう一度思い出します
  2. 見た人がそれを本物だと思って、何かを決めているかを考えます
  3. 迷ったら、「これがAIで作ったものだと後で分かったら、見た人はがっかりするだろうか」と自分に聞いてみます。がっかりしそうなら、そこは自分で持つ側です
  4. 「生成で足りる側」と「自分で持つ側」の、どちらか1つに決めます

生成で足りる側なら、Genie 4のような道具が使えるようになったとき、最初にAIに任せてみる場所になります。自分で持つ側なら、そこは本物の写真を1枚撮っておく場所です。撮るのが少し面倒でも、ここは手間をかけるだけの価値があります。

僕の使い分け

僕もこの線引きを、実際にこのチャンネルで使っています。この回では、机の映像のように、話の雰囲気を伝えるところにAIを使っています。一方で、僕が実際に試したときの画面は、録画や画面の映像を使うと決めています。見ている人が「本当にこうなるんだ」と受け取るところだからです。

まとめ

新しい道具を見て「全部AIで作ればいい」と思うのは、仕事を良くしたい気持ちがあるからです。ただ、どこで使うかを道具の「できる順」で決めてしまうと、答えが毎回揺れてしまいます。

線を引く物差しは1つだけです。見た人がそれを本物だと思って判断に使うかどうか。全部を生成にしなくていいんです。見た人が本物だと思って決めるところだけ、自分で持っておけば大丈夫です。

映像の話に見えて、これは自分の仕事の中で何をAIに任せ、何を自分が持つかという話です。まずはお客さんに見せているものを1つ、どちら側か分けるところから始めてみてください。動画の中で流した映像と、話の流れは動画で見られます。

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山田 どうそん
受講生3万人以上のオンラインビジネス構築のやり方を教える講師|6年以上サブスクメンバーシップのコミュニティを運営|オンラインビジネスで安定したコミュニティシステムの作り方を教えている|1人でも多くの人にオンラインビジネスで物心両面の豊かさを手に入れられるようにディレクションできたらと思っている