Museに任せすぎが気になる人へ|「最後のひと押し」を自分の手に残す線の引き方

MetaのAI「Muse」は、頼んだ用事を代わりに進めてくれます。便利でやめられないけれど、どこか引っかかっている。この記事はそんな人に向けて、どこまで任せてどこを自分の手に残すかの線の引き方をまとめました。結論から言うと、便利なところはどんどん任せていいんです。そのかわり、任せるところが増えるほど「最後のひと押し」を1つ自分の手に残しておくことが大事になります。

きっかけは、チャンネルのコメント欄に届いた声でした。

Metaに自分の情報を握られるのは好みじゃないけど、Museがあまりにも使い勝手が良すぎて止められない

便利だからやめられない。でも、どこか引っかかってもいる。この一言には両方の気持ちが出ていますよね。読み進める前に、最近Museやほかのツールに任せた用事を1つだけ思い出してみてください。その用事のどこが「最後」なのかを、このあと使い方の例と一緒に見ていきます。

Museは「用事を代わりに進めてくれる」AI

まず、Museのことを短く紹介します。MuseはMetaが作った、頼んだ用事を代わりに進めてくれるAIです。日本でも10月23日から、スマホのアプリやWebで使えるようになりました。

できることは、たとえばこんなものです。

  • メールを送る
  • 旅行の予約をする
  • ブラウザを開いて、フォームに入力する
  • 大事なことを覚えておいて、前の会話を踏まえて提案する
  • アプリを閉じたあとも時間のかかる用事を続け、こちらの返事が必要なときには知らせてくれる

つまり、こちらの代わりに手を動かしてくれるわけです。Museの使い方をたくさん集めた動画が続編まで出て、よく見られています。それくらい、任せられる用事は増えています。

「便利なら全部任せたほうが得」と思うのは自然なこと

こういうものを使い始めると、心の中にこんな思いが浮かびやすくなります。

便利なら、任せられるところは全部任せたほうが得だ。

そう思うのは自然なことです。一度任せてみると本当に楽で、もう前のやり方には戻りたくなくなります。使い方の例を見るたびに「そんなことまでできるのか」と、任せるところが増えていきます。任せないでいると、なんだか損をしている気もしてきます。

だから、全部任せたくなるのは、それだけあなたが便利さにちゃんと気づける人だからなんです。

気づくと増えている「おまかせの上乗せ」

では、この思い込みがあると何が起きるのでしょうか。

最初は予定の確認だけを任せていたはずなのに、いつの間にか返信の言い方まで任せている。次はお金の支払い、その次は人との約束。任せるところが少しずつ増えていきます。ふと気づくと、どこまで自分で決めて、どこからAIが決めたのか分からなくなっていることがあります。

コメント欄にも「AIが頭良すぎて、自分が頼りすぎてる感じになってた」という声がありました。たとえば、本当は断りたかった誘いに、感じのいい「ぜひ」の返事が出ていた、ということも起こり得ます。

ここで困るのは、任せたこと自体ではありません。自分で決めたかったことまで、気づかないうちに渡してしまっていることです。

便利さに合わせて、渡すものが少しずつ上に積み重なっていく。1つ1つは小さな便利なので、上乗せされていることになかなか気づけません。この記事では、これを「おまかせの上乗せ」と呼ぶことにします。

3つの束で見る、任せるところと手に残すところ

では、どこで線を引けばいいのでしょうか。目安は、あとで「これは誰が決めたの?」と聞かれたときに「自分で決めた」と言いたいところを1つ残すことです。

Museの使い方の例を、3つの束に分けて見てみます。

1つ目の束:暮らしの用事

さきほどの使い方の動画では、壊れたゴミ箱の修理に使う例まで紹介されていました。調べる、比べる、候補を並べる。ここはどんどん任せていいところです。でも、どれを買うか、どこに頼むかを最後に決めるのは自分の手に残しておきます。

出張の宿も同じです。宿の候補を比べてもらうところまでは任せます。最後は、条件と日程が自分の予定に合うかを見てから、予約を決めます。

2つ目の束:お金のこと

同じ動画には、保険料の節約に使う例もありました。明細を集めて整理し、安くなりそうなところを見つけてもらうのはAIの得意なところです。でも、契約を変える、お金を払うという最後のひと押しは自分で押します。

仕事で使っているサブスクを一覧にしてもらうのも楽です。ただ、どれを解約するかは、自分の仕事の事情を知っている自分が決めるところです。

3つ目の束:人とのやりとり

メールの返信の下書きや、予定の候補を出してもらうと、とても楽になります。でも、相手に届く「送る」のボタンと、約束の日を決めるのは自分でやります。お客さんへの返事ならなおさらです。言い方1つで、相手との関係が変わってしまうからです。

実はMeta自身も、Museはメールを送る前や物を買う前には本人に確かめる作りだと書いています。その「確かめてくるところ」が、ちょうど最後のひと押しの目印になります。さきほどの使い方の動画でも、最後にお金が動く直前の画面だけは自分の目で確かめて、と話されていました。

見分け方は「これは誰が決めたの?」の一問だけ

どこが最後なのかを見分けるのに、問いは1つで足ります。

あとで「これは誰が決めたの?」と聞かれたら、「自分です」と言いたいこと

それが、手に残しておく最後のひと押しです。考えるのは「何を渡さないか」ではありません。「どこで止まって、自分で押すか」です。

この問いはMuseに限りません。ほかのAIに用事を任せるときにも同じように使えます。全部を自分でやる必要はまったくありません。調べる、まとめる、下書きを作る。この手前まではどんどん任せていいんです。最後のひと押しを1つ手に残しておけば、任せるところがいくら増えても、自分の暮らしと仕事の舵は自分で握っていられます。

1つだけ試してみる

  1. 最初に思い出した、Museやほかのツールに任せた用事を、もう一度思い出します
  2. その用事の中で、「これは誰が決めたの?」と聞かれたら「自分です」と言いたいところを探します。買う、払う、送る、約束する、のどれかであることが多いはずです
  3. その用事の最後のひと押しを、1つだけ決めます。たとえば請求書なら、作るところまでは任せる。金額を自分の目で見て、お客さんに送るボタンを押すところを最後のひと押しにする、といった具合です
  4. 次にAIが「これでいいですか」と確かめてきたら、そこだけは自分の目で見て、自分で押します。それ以外の手前のところは、これまでどおり任せて構いません

1つ決めたら、ほかの用事の最後のひと押しは、あとから少しずつ足していけば大丈夫です。

僕が実際に決めている「最後のひと押し」

僕も、AIに任せるところはどんどん増やしています。

  • YouTubeの動画:スライドを作って限定公開で上げるところまでは、AIのチームが進めています。でも、公開のボタンだけは僕が自分で押すと決めています
  • メルマガ:一言頼むだけで下書きまでできあがるようにしました。でも、お客さんに届く送信のボタンは僕が押します
  • 自分あてのお知らせ:反対に、動画が上がったことを僕自身に知らせるメールは、自動で送っていいと決めました

届く先が自分なら任せる。お客さんに届くものは自分で押す。そういう分け方です。こうして最後のひと押しの場所を先に決めてから、手前を任せるところを広げています。

まとめ

Museが便利すぎて止められないのは、あなたが便利さにちゃんと気づける人だからです。ただ、便利さに合わせて、渡すものが少しずつ上乗せされていただけなんです。

  • 調べる・比べる・まとめる・下書きを作る、という手前はどんどん任せていい
  • 買う・払う・送る・約束する、の最後のひと押しを1つ手に残す
  • 見分け方は「これは誰が決めたの?」と聞かれたら「自分です」と言いたいかどうか
  • まずは任せている用事を1つ選んで、その最後のひと押しを1つだけ決めてみる

最後のひと押しが手に残っていれば、便利さはそのまま味方になります。「任せすぎかも」という引っかかりも、少し軽くなるはずです。最後のひと押しを1つずつ集めていくと、自分の仕事の中で、自分が持っておきたいものがだんだん見えてきます。

Museの使い方の例や、話の流れは動画でも見られます。よかったらあわせてご覧ください。

ABOUT US
山田 どうそん
受講生3万人以上のオンラインビジネス構築のやり方を教える講師|6年以上サブスクメンバーシップのコミュニティを運営|オンラインビジネスで安定したコミュニティシステムの作り方を教えている|1人でも多くの人にオンラインビジネスで物心両面の豊かさを手に入れられるようにディレクションできたらと思っている