AIの答えがプロンプトでブレる人へ|先に「当たりの1行」を渡す

AIに頼んでも欲しい答えが返ってこない。頼むたびに答えがブレる。そんなときは、もっといい聞き方を探す前に、「これが返ってきたら当たり」という1行を先に書いてみてください。この記事では、その1行の考え方と書き方を、具体的な例と僕自身の失敗・成功と一緒にお話しします。

「プロンプトで相当ブレる」はよくある悩みです

AIのチャンネルのコメント欄に、「プロンプトで相当ブレる」という声がありました。同じように頼んでいるつもりなのに、返ってくる答えが毎回違う。少し言い方を変えて頼み直しても、やっぱりどこか違う答えが返ってくる。

そうなると、もっとうまい聞き方があるはずだと探したくなりますよね。先に結論を言うと、欲しい答えを知っているのはAIではなく、あなただけです。答えの形をまだAIに渡していない、というだけなんです。

聞き方の型を集めても外れてしまう理由

欲しい答えが返ってこないとき、心の中にはたいてい「うまい聞き方さえ分かれば、欲しい答えが返ってくるはず」という思いがあります。こう思うのは自然なことです。本やSNSには「この聞き方なら一発で答えが出る」という話がたくさん並んでいますし、実際に聞き方を変えると答えが変わることもあります。もっといい聞き方を探してしまうのは、それだけAIを真剣に使いこなそうとしてきたからです。

ただ、この思い込みがあると、こんなことが起きます。

  • 聞き方の型を集めて、片っ端から試す。1度はうまくいっても、次の頼み事ではまた外れる
  • それならと、使うAIを変えてみる
  • 頼む文をどんどん長くする

でも、頼む文を長くしても、欲しい答えの形が入っていなければ、AIが想像で埋めるところはあまり減りません。コメント欄には「指示していない変な方向に走り出す」という声もありました。AIは、渡されていない部分を手元の情報から補って答えています。その補い方が毎回少しずつ変わるので、答えがブレるんです。

型を集めるのも、AIを変えるのも、頼む文を長くするのも、根っこは同じです。探しているのは聞き方のほうで、欲しい答えの形は自分の頭の中に置いたまま。ここでは、これを「聞き方探し」と呼ぶことにします。

欲しい答えを知っているのは、自分だけ

身近な場面で考えてみます。家族に「夕飯の材料、何か買ってきて」と頼んだら、思っていたのと違うものを買ってきた。でも、買ってきた人が悪いわけではありませんよね。何を作りたかったのかは、頼んだ人にしか分からなかったんです。

AIもこれと同じです。AIは世界中のたくさんの言葉を知っています。でも、あなたにとっての「当たり」が何なのかは知りません。

ここで言う当たりは、「何を書くか」ではありません。受け取った人がどうなったら成功かということです。答えがブレるのは、そこがAIに渡っていないので、AIが毎回、空いているところを想像で埋めているからです。

「これが返ってきたら当たり」の1行の例

例:Webデザイナーの提案メール

フリーランスのWebデザイナーの方が、お客さんへの提案メールをAIに頼むとします。「いい感じにまとめて」とだけ頼むと、丁寧で長くて、誰にでも送れそうなメールが返ってきます。

でもこの人の頭の中には、本当は当たりがあります。

忙しいお店のオーナーが、スマホで30秒で読めて、すぐ返事をしたくなる長さ

この1行を足すだけで、返ってくるメールの長さも言い方も大きく変わります。この1行は、どんな聞き方の型にも載っていません。お客さんのことを知っているこの人にしか書けない1行です。

ほかの仕事でも同じです

  • 講座を開いている方が案内の文を頼むなら:「初めての人が、自分に向いているかを30秒で分かる」
  • 相談の仕事をしている方がブログ記事を頼むなら:「悩んでいる本人が、責められていると感じない言い方」

こういったものが、当たりの1行になるかもしれません。

違うと思ったら、どこが違うかを1つだけ返す

返ってきた答えを見て「違う」と思ったときも同じです。どこが違うのかを1つだけ返せば十分です。その「違う」の理由も、AIではなく、あなたしか持っていません。

聞き方のコツが効くのは、実はこの当たりを言葉にする手伝いをしているときなんです。

当たりの1行を書いてみる手順

ここからは、1つだけ試してみてください。

  1. 最近AIに頼んで、欲しい答えが返ってこなかったものを1つ思い出す
  2. そのとき本当はどんな答えが返ってきたら嬉しかったかを考えて、「これが返ってきたら当たり」という1行を書く。誰が読むのか、どこで使うのか、どのくらいの長さがいいのか。全部でなくていいので、思いついたことを1つ入れるだけで大丈夫です
  3. 次に頼むとき、その1行を頼む文の最初に置く
  4. 返ってきた答えが違ったら、どこが違うかを1つだけ返す

うまく言葉にならないときは、AIに「当たりを決めるための質問を1つずつしてください」と頼んでも構いません。答えていくうちに、自分の頭の中にあった当たりが少しずつ言葉になっていきます。

やってみて分かったこと

困りごとを渡さなかった失敗

僕もAIに頼んで、思っていたのと違う答えが返ってきたことがあります。動画編集のソフトに、今の作業と関係ないものがたくさん並んでいたので、「関係ないものを開いたまま残さないで」と頼みました。ところが、その頼みが途中で「消して」という言葉に変わって伝わってしまい、AIは130本の作業のデータを消してしまったんです。

消す前に1本ずつ書き出していたので、中身はすぐに元に戻せました。僕が本当に困っていたのは、画面に関係ないものが並んで見づらいことだけでした。その困りごとも一緒に渡していれば、消す以外の方法を考えられたかもしれません。

目的を1つ渡してうまくいったこと

反対に、うまくいったこともあります。AIに作ったファイルの報告を頼むと、初めはファイルの名前だけが返ってきていました。そこで「僕が探さなくて済むように」と、目的を1つだけ渡しました。それからは、毎回ファイルがどこにあるかまで書いてくれるようになりました。

まとめ

欲しい答えが返ってこないのは、あなたの聞き方が下手だからではありません。欲しい答えの形を頭の中に置いたまま、聞き方を探していただけです。

  • 欲しい答えを知っているのは、AIではなく自分だけ
  • 頼む前に「これが返ってきたら当たり」の1行を書き、頼む文の最初に置く
  • 違ったら、どこが違うかを1つだけ返す

AIが形にして、あなたが「ここが違う」と1つ返していく。この往復なら、聞き方を探さなくても当たりに近づいていきます。それは、自分の仕事の中で何をAIに渡して、何を自分が持つかということでもあります。

今日の話の流れは動画でも見られますので、よかったらあわせてご覧ください。

ABOUT US
山田 どうそん
受講生3万人以上のオンラインビジネス構築のやり方を教える講師|6年以上サブスクメンバーシップのコミュニティを運営|オンラインビジネスで安定したコミュニティシステムの作り方を教えている|1人でも多くの人にオンラインビジネスで物心両面の豊かさを手に入れられるようにディレクションできたらと思っている