山田どうそんです。
今日は、前回の続き、ビジネスストーリーテリングの具体的な作り方の構成について解説していきます。
ストーリーをどのように組み立てたらいいか、という枠組みについてお伝えします。
この構成は、VSL(ビデオセールスレター)のストーリー要素にもそのまま使えます。
VSLは、この4つで構成されています。
- イントロ
- ストーリー
- コンテンツ
- ピッチ(クロージング)
今回の話は、この「2.ストーリー」と、「3.コンテンツ」に関わる部分です。
この記事を読めば、ビリーフ(人の間違った思い込み)を変えるためのストーリー構成をより深く理解できると思います。
【ストーリーに必須の4つの構成要素】
■舞台、登場人物、衝突、解決
ストーリーを作る時に、必ず必要なのが次の4つです。
- 舞台
- 登場人物
- 衝突
- 解決
一つずつ、詳しく解説していきます。
<舞台>
どんなストーリーでも、必ずその物語が始まる舞台が必要です。
これを伝えることで、受け手はその状況や背景を理解することができます。
映画とか舞台、書籍で使う「コンテキスト」という言葉はたいてい、舞台となる場所を指します。
問題点が起きた場所や状況を設定することで、受け手がストーリーが始まる前提を理解できるようにすることが大事です。
例えば昔、僕がVSLで使っていたストーリーに不眠症になったときの話をフックにして、興味を引いた構成があります。
そのときの舞台として、Kindleが日本上陸した時に、電子書籍出版の代行業のクライアント業の販売からスタートした話をしました。
独立したばかりの苦労が伝わる舞台を設定することで、すでに起業している人やこれから起業を考えている人が興味を持つだろうと考えました。
だから、ストーリーの舞台をどこに設定するのか?
考えてみてください。
<登場人物>
次に、ストーリーの登場人物をどうするかです。
VSLのようなビジネスにストーリーを活用する場合、聞き手である見込み客に擬似体験してもらう必要があります。
ターゲットと全く関係のない登場人物を設定しても感情移入できません。
ターゲットが、過去のあなたと近いのであれば、過去の自分を設定することをおすすめします。
もし、ターゲットがあなたと似ても似つかないのであれば、自分のお客さんを登場人物として設定して、その人の話を中心にストーリーを展開していきます。
もし、この登場人物で「共感」を得られない場合、その時点でストーリーは失敗します。
そのぐらい、誰のストーリーを話すか、は重要です。
この部分で、「感情の確立」という重要な役割を担います。
あなたの見込み客が共感できるであろう人物を正しく設定してください。
ちなみに、僕らのような小規模ビジネスの登場人物はシンプルです。
多くても3人ぐらいでしょうか。
プレゼンするあなたと、そして聞き手の見込み客です。
必要があれば、そのストーリーに関連する第三者を追加します。
その第三者をちゃんと名前のある具体的な人物として描写するのか、それとも名前のない人物にするのか、という判断があります。
例えば、名前のあるというのは「伊藤さん」のように、名前を伝えてフォーカスを絞るのか、それとも「30代の男性」のように集団をイメージさせるのか、という意味です。
登場人物の選定は、ストーリーの感情に大きく影響を与えますので、特に重要です。
あらかじめ、どの人たちをストーリーに登場させるか洗い出してみてください。
<衝突>
これらが決まったら、今度はどんな衝突を作るのかを決めます。
問題点や事件と言った方がわかりやすいかもしれません。
ストーリーは、必ず事件が起きます。
何も起きないストーリーなど、退屈で意味がありません。
===
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
そして、何事もなく、無事、家に帰り、その夜に美味しいご飯を食べて幸せな1日を過ごしました。
===
こんなストーリーがあったらどうでしょうか。
退屈極まりないストーリーです。
だから、ストーリーには、必ず問題や事件が必要です。
===
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
そしたらなんと、川から大きな桃が流れてきました。
その桃を家に持ち帰り包丁で切ってみると中から元気な男の子が出てきました。
===
こんな、あり得ない事件が起きることで、その先が気になります。
だから、ストーリーには、必ず問題や衝突が必要です。
ただし、ここで大事なのは、その問題や事件が、聞き手の問題とリンクしている必要があるということです。
その問題に共感できることで、聞き手は過去の自分の経験と紐付け、ストーリーを擬似体験して、感情移入してくれます。
そして、その問題の原因をストーリーの中で自ら明らかにします。
そうすることで、あなたは一度目の英雄になることができます。
どういう意味かと言うと、人は二度問題を解決しなくてはなりません。
一度目は、問題を特定したとき。
二度目は、その問題を解決したときです。
病気に例えるとわかりやすいと思います。
一度目は、病気を発見した時。
二度目は、病気を薬で治した時です。
こんなイメージです。
これをストーリーに盛り込むことで、人はあなたに共感してくれます。
そして、聞き手はあなたの話を集中して聞く必要がある、と強く認識するんです。
売れないVSLには共通点があります。
ストーリーの段階で、問題の特定と解決のインパクトが弱いのです。
その時点で、プレゼンで成功する確率は低くなります。
そのぐらい重要な鍵を握っているのが、この衝突パートです。
<解決策>
そして、最後に解決策です。
解決策パートは、あなたが提供する商品と関連していなくてはなりません。
もし、この解決策に魅力がなかったら、たとえあなたがストーリーで問題を解決したとしても、商品は売れません。
もしも、提案する解決策が、既視感がなく、聞いたことないような魅力的なものであればあるほど、より聞き手は興味を持ちます。
だからこそ、商品コンセプトが重要になるんです。
ストーリーを作る前にまず、最初にこの4つの構成要素を洗い出してください。
これらが明確になれば、あとはストーリーの流れを作っていくだけになります。
■2W1Hを明確化して4つの構成要素の土台を作る
4つの構成要素を作る時に、重要になるのが2W1Hです。
- Why(なぜ)
- What(何が)
- How(どうやって)
この3つです。
<Why(なぜ)>
4つの構成要素のうちの、舞台、登場人物、衝突はそのストーリーのWhy(なぜ)を伝える役割を持っています。
なぜ、あなたの解決策を知るべきなのか?という理由、Whyを明確にする部分なんです。
もしも「なぜ?あなたの話を聞く必要があるの?」の答えがストーリーで示せなかった場合、多くの人はその時点であなたの話に耳を傾けることをやめます。
なぜなら、聞く理由がないからです。
時間の無駄になるから、もう話を聞かないのです。
だから、ここで興味を引いて次のステップに進んでもらう必要があります。
<How(どうやって)>
そして、どうやってのHowに当たる部分が「解決策」になります。
4つの構成要素のうち、
- 舞台
- 登場人物
- 衝突
- 解決策(ここ)
この最後の部分になります。
あなたがどうやって、ストーリーで示した、問題を解決するか、の具体的なノウハウに当たる場所です。
すごくわかりやすく例えると、
「痩せたくても痩せれなくて困っている(衝突)、痩せる方法としてパーソナルジム(ここが解決策)に通いましょう。」
この解決策が、「もしかしたら痩せられるかも」と思ったら、申し込みする可能性が高くなります。
<What(何が)>
そして、もう一つ、一番と言っていいほど重要な要素があります。
それが、このWhatにあたる「何が」の部分です。
なぜなら、ここは提案のビッグアイデアに当たる部分だからです。
ビッグアイデアは、WhyとHowを繋ぐ重要な架け橋になります。
コンセプトと言い換えてもいいです。
つまり、あなたの提案を抽象的な概念で伝える、結晶のようなものです。
例えばさっきの例です。
「痩せたくても痩せれなくて困っている(衝突)、痩せる方法としてパーソナルジム(ここが解決策)に通いましょう。」
これを見てもらうとわかると思いますが、もしあなたがパーソナルジムを経営していたとして、上記のことだけを伝えた場合、あなたのパーソナルジムに申し込みする理由はあるでしょうか?
ありませんよね。
だって、世の中にはパーソナルジムが山ほどあるからです。
ただ、パーソナルジムに通えば痩せますよ、ではあなたから買う理由がありません。
ここで、大事になるのが、ビッグアイデアなんです。
「なぜ、あなたのパーソナルジムに申し込む必要があるのですか?」
という問いに対する答えのようなものです。
ここでもし、
「私のパーソナルジムのカリキュラムは、好きな食事をバランスよく摂りながらたった2ヶ月で結果を出すことができます。」
だったとしたらどうでしょうか?
「食べながら痩せられる」
という、ビッグアイデアは、魅力的だと思いませんか?
このビッグアイデアこそが、あなたの商品を購入する最大の理由になります。
だからこそ、このビッグアイデアで売れるか売れないかがほぼ決まってしまうといっても過言ではないんです。
■ビッグアイデアの重要性
ビッグアイデアは、非常に重要なのでもう少し詳しく解説します。
ビッグアイデアは、あなたのプレゼンの根幹と言えるものです。
これによって、すべてのプレゼンの流れが決まります。
なぜなら、人は、あなたのプレゼンを「覚えていないから」です。
人が記憶に残せるのは、ビッグアイデアだけです。
そのぐらい、人はすぐに忘れてしまいます。
さっきの例で言うと、
「食べながら痩せられる」
このぐらいしか、ほとんどの人は記憶できません。
ということは、この部分が魅力的でインパクトがなければ、スルーされてしまう可能性が高くなってしまいます。
そして、このビッグアイデアに興味を持った時、人は初めて、
「え?それってどうやってできるんですか?」
という、How(どうやって)に興味を持ちます。
だからこそ、ビッグアイデアは、「衝突」と「解決策」の架け橋といえます。
橋がなければ渡れませんから、この要素をしっかりと考えてストーリーの骨子を作ることが大事です。
【ストーリーを作る具体的な流れ】
■ジャンルについて理解する
ここまででストーリーを作る上での構成要素はご理解いただけたと思います。
- 舞台
- 登場人物
- 衝突
- (ビッグアイデアでブリッジ)
- 解決策
これが、ストーリーを作る上で最初に準備する構成要素です。
では、これらをどのような構成でストーリーを作っていけばいいのか、より具体的な流れについて解説します。
その前に、ストーリーといえば何が思い浮かびますか?
そうですよね。
- 映画
- TVドラマ
- 小説
これらが真っ先に頭に浮かんだと思います。
このような、映画やTVドラマ、小説にはジャンルというものがあります。
まずは、ストーリーを選ぶ上で、この大前提を理解してください。
人は、まず「ジャンル」という大前提を共通認識として持った上で映画やTVドラマ、小説を見ています。
映画、TVドラマ、小説には主に次のようなジャンルがあります。
- ファンタジー
- ヒューマン
- ミステリー
- 恋愛
- アクション
- コメディ
これらが大ジャンルと言われるものです。
そしてこれに中ジャンルというものが入ってきます。
- ファンタジー
- SF
- 中世ファンタジー
- ヒューマン
- 人生
- 家族
- 青春
- ミステリー
- サスペンス
- ホラー
- 恋愛
- 男性向けラブストーリー
- 女性向けラブストーリー
- アクション
- ポリスアクション
- 格闘技
- 戦争
- 犯罪
- 能力バトル
- ヒーロー(集団)
- スーパーヒーロー(個)
- ケンカアクション
- アドベンチャー
- コメディ
- シチュエーション
- 貧乏
- 金持ち
- オタク
- パロディ
こんな感じです。
ここで、重要になるのが、あなたのプレゼンストーリーがどのジャンルをベースに構成していくか、というのを決めることが大事です。
上記は、映画、TVドラマ、小説なのでエンタメのジャンルです。
僕らはビジネスとしてストーリーを展開していくので、ジャンルはある程度、限られています。
というか、かなり限られます。
メイン2つぐらいです。
- ヒューマン
- 恋愛
あなたの提供している商品にもよりますが、基本的にストーリーは、ヒューマンか恋愛をベースで作るしかありません。
ほとんどの場合、メインはヒューマンジャンルです。
まず、このように、ストーリーにはジャンルというものがあるということを知っておいてください。
■テーマについて理解する
そして、次に重要なのは、テーマへの理解です。
テーマというのは、ストーリーの中心を貫く「串」のようなものです。
こういうとビッグアイデアと、何が違うのか?と思うかもしれませんが、テーマはもっとより抽象度の高い概念です。
ストーリーというのは、全てあるテーマを軸に作られます。
それは、
「○○からの脱却」
です。
もっとシンプルにいうと
「現状からの脱却」
が、どんなストーリーでも展開されます。
これがないと、ストーリーにならないからです。
この、現状からの脱却をより具体的にしたものがテーマです。
例えば、次のようなものがあります。
- 古い体制からの脱却
- コンプレックスからの脱却
- 弱者からの脱却
- 貧乏からの脱却
- 不自由からの脱却
- 自分らしくない人生からの脱却
- 恐怖からの脱却
- 未熟な自分からの脱却
- 今の夫婦生活からの脱却
- 謎からの脱却
このように、どんなストーリーにも必ず、〇〇からの脱却というテーマがあり、全体を串刺しにしています。
■設定について理解する
テーマについてご理解いただけたと思います。
では、このテーマをもとに、ストーリーの設定を考えていきます。
設定というのは、キャラクターや世界観をどのようなものか説明するものです。
下の図を見てください。

このように、ストーリーというのは、A(主人公)がBという「人や物、可能性」に出会い、Cの中から脱却するものです。
ビッグアイデアは、このBの中に入っているものです。
解決策もBですよ。
これらを理解した上で、設定を考えていきます。
キャラクター配置の基本ルールです。
- テーマ:〇〇からの脱却
- AがCの中からBによって脱却しようとしている
それぞれの役割です。
- A:主人公は誰?
- B:Aのテーマ脱却を促す役は誰、もしくは出来事は何?
- C:Aのテーマ脱却を阻害する役、もしくは環境要因は?
これらをざっくりでいいので設定します。
■ドラマについて理解する
ジャンルとテーマ、設定について理解できたと思います。
では次は、ドラマについてです。
このドラマというのは、先ほどの映画、TVドラマ、小説のドラマとは意味が違います。
ここでいうドラマというのは、ストーリー全体の流れという意味です。
ドラマを作る基本は、起承転結です。
これを「発端」「経緯」「展開」「結束」に分けます。
- 発端(起):これから始まる、事件、キャラ、舞台、の紹介フェーズ
- 経緯(承):テーマに向かって動き出す動機づけ
- 展開(転):テーマを達成するための行動フェーズ(ここで事件が起きたり解決したり物語が動き出す)
- 結束(結)」行動の結果をあらわすフェーズ
このようなおおきく4つの流れでストーリーは構成します。
ここで、重要なのは、「転」が一番盛り上がる部分であり、感情移入が起きる部分です。
ここに、向かうまでに大きく2つの流れがあるので、そちらも理解しておくと、流れを作りやすいです。
■ドラマの構成はN型とW型がある
ストーリーの流れには、大きくN型とW型があります。
ハッピーエンドなのか、バッドエンドなのかによってもこの型は変わるのですが、僕らのようなビジネスストーリーテリングの場合は、ハッピーエンドしか利用しません。
だから、N型か、W型の2つだけ覚えておくといいです。
N型、W型というのは、「○○の脱却」に近づいた場合は、上がり、離れた場合は下がるという起伏のことです。
N型というのは、最初順調に物語が進みます。
そこで、ある問題や事件に出会い、下に下がります。
そして、最後ハッピーエンドに向かってテーマを達成し、目標を達成するという起伏の作り方のテンプレートです。
W型というのは、逆に最初から、問題が勃発します。
そして、何かのきっかけで、ちょっと上向きます。
でも、また再度、問題や事件が起きて、さらに下にドンっと下がります。
そこから、最後ハッピーエンドに向かって、目標を達成するという流れです。
つまり、N型は、「上げて→下げて→上げる」で、W型は「下げて→上げて→もっと下げて→がっと上げる」という流れになります。
実は、小説のほとんどは、W型です。
どちらを使ってもいいですが、W型はどうしても話が長くなってしまうので、ビジネスストーリーテリングの場合は、N型がおすすめです。
このように、流れの作り方はいくつかありますので、知っておくと表現の幅が広がります。
【まとめ】
ここまでしっかりと準備をしてストーリー構成をすれば、伝わりやすいメッセージが作れる可能性が高くなることがご理解いただけたと思います。
最後に、大事なポイントをまとめたいと思います。
■4つの構成要素とビッグアイデア
ストーリーには、4つの構成要素と、ビッグアイデアが必要でした。
- 舞台
- 登場人物
- 衝突
- (ビッグアイデア)
- 解決
これを最初に明確にしてください。
■ストーリーの流れを作る
その後に、ストーリーの流れを決めます。
- ジャンルを決める(ほとんどがヒューマンジャンルなのだが、どの内容を選ぶか決める)
- テーマを決める(〇〇からの脱却)
- 設定を決める(テーマを決め、キャラクターの配置をする)
- ドラマを決める(起承転結の流れを決め、N型W型を決める)
この順番で大まかな流れを決めます。
ここからエンタメストーリーを作る場合、さらにプロットを作ったり、チェンジポイントを明確にしたりして、よりドラマティックに描写していきます。
ただし、僕らの目的はあくまでもビジネスにストーリーを使うことです。
このぐらい解像度を明確にしておけば、あとは、ストーリーとプレゼンの整合性は取れるはずです。
あとは、実際に作ってみて、実践して売れるかどうかテストしていくだけです。
ビジネスストーリーテリングの役割は、あくまでも提案を受け入れる準備を整える役割です。
最終的に買うか買わないかは、なんだかんだ、オファーにかかっています。
ストーリーが素晴らしく、ビッグアイデアが魅力的でもオファーがしょぼければ、申し込みには至りません。
その辺の本質も理解しつつ、ビジネスストーリーテリングを活かしてください。
それでは、ぜひ実践してくれることを期待して、終わりたいと思います。
それではまた。









