山田どうそんです。
今日のテーマは、ビジネスストーリーテリングです。
ビジネスでストーリーが大事という話は、誰しも一度ぐらいは耳にしたことがあると思います。
では、なぜストーリーが大事なのか?
そのヒントが脳の仕組みにあるので、そこから先にお伝えしたいと思います。
【なぜストーリーがビジネスに重要なのか】
■脳は卓球のように左右にラリーしている
ロジャー・ウォルコット・スペリーという人がいます。
アメリカの神経生物学者で、1981年にノーベル生物学・医学賞を受賞した方です。
スペリーさんは、てんかんの重症患者に対する治療法として、脳梁(左右の脳半球をつなぐ構造)を切断する手術を受けた人を対象に研究をした人です。
これによって、脳の左右が完全に分離されて、機能していることを発見しました。
左脳は、論理的、分析的、言語的であるのに対して、右脳は概念的、直感的、視覚的であることを突き止めたんです。
この辺の話は、一度は聞いたことありますよね。
これがストーリーとどう関係があるのか?
スペリーさんの後に続いて、その後も研究が進み、あることがわかりました。
それは、
「人の脳は右から左、左から右へと、卓球のように絶え間なくラリーをしている」
ということにです。
そして、ストーリーが右脳と左脳の両方に作用できることがわかっています。
どういうことか?
脳の仕組みを詳しく話すと長くなるので、結論だけいいます。
この脳の特性によって、
「データとビジュアルに支えられたストーリーは、ただのデータの10倍記憶に定着される」
ということが実験でわかっているんです。
つまり、ストーリーがないデータとビジュアルだけでは、記憶定着率が10/1になってしまうということなんです。
そのぐらい、記憶定着にはストーリーが欠かせない要素なんです。
■論理的な決断はその瞬間、感情が鍵を握っている
そして、もう一つ、ストーリーが重要だという脳科学の実験があります。
それは、アントニオ・ダマシオという認知神経科学者の実験です。
この人が行った実験でとても有名な「ソマティックマーカー仮説」というのがあります。
ソマティックマーカーというは、特定の選択肢や状況に関連する身体的な感覚(例えば、心拍数の上昇、胃の不快感など)や感情的な反応のことを言います。
つまり、わかりやすく言うと、
「人は論理的な決断をしている気でいるが、その瞬間の鍵は感情が握っている」
というものです。
感情があるからこそ、人はそれがいいか、悪いか、どうでもいいのかを決められることを意味しています。
特に、「不確実性」や「複雑な選択」を伴う場合、より重要になります。
だからこそ、ビジネスにはストーリーが必要なんです。
なぜなら、ストーリーこそが感情を動かす最良の手段だからです。
■ビジュアルをストーリーテリングに活かす
ストーリーが感情に重要なことは理解できたと思います。
これともう一つ、ストーリーや感情に直結するものがあります。
それが、ビジュアルです。
分子生物学者のジョン・メディアは、視覚は最強の感覚だと述べています。
ということは、感情に直結すると言うことです。
つまり、ストーリーに最適なビジュアルは、脳が記憶する上でとてもわかりやすい付箋と言えます。
ジョン・メディアの研究によれば、聞いただけの情報は10日後には10%しか覚えていないが、ビジュアル(図)を添えることで65%思い出せるそうです。
だから、ストーリーにプラスして、ビジュアル要素があると、より人の感情や記憶に影響を与えられる可能性が高くなることを意味しています。
【データをストーリーで包むイメージ】
■データとビジュアルをストーリーで活用する
僕たちは、ついプレゼンを作るとき、数字のデータや、科学的なエビデンスばかりに目が行きがちです。
たしかに、これは大事な要素ですが、ここまで脳の特性をお伝えした通り、脳は、卓球のように情報を左右にラリーさせて意思決定しています。
その時、右脳で好奇心と直感を刺激されて、左脳でストーリーを直感的に裏付けるデータや科学的エビデンスを読み取って、納得し、意思決定を行うんです。
つまり、ストーリーだけでは、感情が動かされただけで、意思決定の材料としては弱いと言うことです。
だから、合わせてデータを提示する必要があります。
データ、統計、分析というのは、アイデアのエンジンにはなりますが、アイデアではありません。
ただし、データはストーリーで包むことで、深い洞察のあるプレゼンができるんです。
■数字をただの数字ではなく洞察し発見する
データを使う時、背景にある数字の意味や洞察を考えることが大事です。
特に、そのデータがストーリーを裏付けているか?というのは大事なポイントです。
数字をただの数字として見ていると正しい洞察ができず、間違った解釈をしてしまいかねません。
例えば、どういうことか。
この話は、半分冗談として利用されますが、大事なのはその背景です。
あの、NBAのスーパースター、マイケルジョーダンがいますよね。
彼は、ノースカロライナ大学(UNC)を卒業しました。
ある年、UNCの卒業生の平均年収を調査したら、平均年収が非常に高かったそうです。
でも、実際は、マイケルジョーダンがこの平均値を押し上げたのではないか、と冗談混じりに言われています。
真偽の程は定かではありませんが、データというのは、表面だけ見ていては必ずしも正しい意思決定ができるとは限らないということです。
もし、この背景がわからなければ、
「UNCのこの年の卒業生は優秀な人が多かった」
という結論になる可能性があります。
でも実際は、マイケルジョーダン一人の影響で平均年収が上がっていた可能性があるということです。
このように、データというのは、洞察力高めて、正しい「発見」のために活用することが大事だということなんです。
間違っても、ただの「生データをあれこれ渡す」という愚行だけは避けたいものです。
【まとめ】
ということで、今日のニュースレターはここまでにします。
これ以上長くなると、読むのが大変になるからです。
実際にストーリーを構成するテクニックは、また次回詳しく解説します。
では、今日お伝えした内容を最後に軽くまとめたいと思います。
■脳には二面生があり意思決定には両方使われる
右脳は創造と想像を、左脳は論理的処理や学習したパターンの落とし込みを得意とします。
どちらも、意思決定には不可欠な要素です。
ただし、最終的にはビジュアルを伴った感情が決定を下します。
■ビジネスのコミュニケーションは左脳に隔たりがち
ビジネスのプレゼンは、どうしてもデータや科学的エビデンスに隔たりがちです。
大事なのは、ストーリーでこれらを包み、深い洞察をそのデータから抽出してプレゼンすること。
ただの、生データのインフォメーションはなんの役にも立ちません。
「で?」と言われるのがオチです。
■データとビジュアルを戦略的に活用する
データとビジュアルは、ストーリーと直接関わりがあることで意味をなします。
ストーリーのアイデアを裏付ける内容になっているかどうか、精査して活用してください。











