今回は対比効果(コントラスト効果)について記事にしたいと思います。
対比効果(コントラスト効果)について
皆さんは、映画やドラマを観られますでしょうか。
色んなストーリーのドラマや映画があると思いますが、その中で必ず悪役が登場しますよね。
ドラえもんだったら主人公ののび太がいて、悪役のジャイアンが出てきます。
これは恋愛系も一緒で、主人公がいれば恋敵がいます。
このように正義がいれば悪役は必ずいます。
なぜこのようになっているかというと、対比効果(コントラスト効果)というものが働くからです。
また、働かせることで面白くなり、働かせないと見る側が分からないんです。
例えば、1つの作品で主人公が犯罪者だったとします。犯罪といっても泥棒をする犯罪から、人を殺めるような犯罪があります。ここでの主人公は泥棒を多くしている犯罪者であり、悪い人であるというストーリーだとします。そこに人を殺めるような犯罪者が新たに登場したらどうでしょうか。
今まで泥棒をしていた犯罪者が悪いように映っていたのに、もっと悪い犯罪者が登場したら、主人公はあまり悪い人に見えないですよね。
なぜかというと、それは対比する対象が変わったからです。
つまり元々、いい人と主人公の犯罪者との対比だったのが、主人公の犯罪者と人を殺める犯罪者との対比に変わることによって、主人公が行っている泥棒がそんなに悪く見えなくなるということです。
このような心理はあらゆる場面で活用されています。
人は何か対象にするものがないと客観的に判断ができず、対象物があって初めてその程度を判断できるようになります。
つまり物事を相対的に見て判断するんです。
恋愛でも、相手が普段スーツなのにデートでカジュアルな服を着てきたら印象変わりますよね。
すると、対比効果(コントラスト効果)によって、「あれ、いつもと違う」と人の感情を動かすことができます。
気温の場合、20℃は暖かいのか寒いのか分からないですが、昨日が10℃だったら20℃は暖かいですし、昨日が30℃だったら20℃は寒いんです。
このように人は何かに対比することによって、良いか悪いか、暖かいか寒いかなど判断しています。
ビジネスでの活用法
これはビジネスやあらゆる場面で活用されています。
例えば自動車だと、軽自動車と高級車を比較して単純に値段だけ見ると軽自動車がとても安く見えますが、自転車と比較するととても高いです。
このように人は何か比較する対象によって物事の判断が変わるということです。
ビジネスでは、この対比効果(コントラスト効果)をうまく活用することができないと、はっきりと明確に商品を見せることができません。
よく使われているのは、ディスカウントという割引や、値引きです。
単純に2万円と表示されている商品は高いと判断するのに、4万円の商品が半額の2万円と表示してあると、安く感じることありますよね。
家電量販店でこのような戦略はよく使われています。
このことを理解していないと、20,000円の商品だったら20,000円で売ればいいと思ってしまうんです。
普段は39,800円のところ、このくらい安くして20,000円で購入できると提示することによって消費者は「普段より安いんだ」と思い、アクションを起こしやすくなるんです。
『ザ・プレゼンテーション』での研究結果
『ザ・プレゼンテーション』という2012年に発行された、キング牧師やスティーブ・ジョブスなどの有名な偉人達のプレゼンテーションに共通項はないか調べた本があり、そこで述べられていた1つの共通点がありました。
それは、それぞれのプレゼンテーションの最中に対比効果(コントラスト効果)をすごく使っていたということです。
つまり、良いことと悪い頃を交互に話していたんです。すると人の感情は非常に揺れう動かされるので、良いという感情が普段より強く感じます。
それによって人はそのプレゼンテーションで心を動かされて行動しやすくなるという研究結果が出たんです。
最後に
このコントラストという技術は、ビジネスや対人関係などあらゆる場面において必ず知っておかなければいけない必須のスキルです。
対比効果(コントラスト効果)を知らない人は、何の比較対象もなしに1つだけで判断させようとします。
しかし判断する側は、何か比較対象を求めるんです。
例えば「この商品が良い」と見せられても、他社はどうなっているのか比較されないと、この商品の何が良いのか分かりません。
物事というのは何か対象にできるものを出して、対象物との違いを見せないとそもそも良いか悪いかの判断すらできないんです。
このように対比効果(コントラスト効果)を上手く活用できると人の心を動かすことができ、人の心を動かすことができれば、人を行動させることができるということです。
この心理学はビジネスでも日常でも役立つのでぜひ活用してみて下さい。